こんにちは!ウチの部屋へようこそ!
今回は大坂なおみ選手についてのお話です。
大坂なおみ選手は2018年テニス大大会の1つの全米オープンで初優勝しました。
そして続く2019年の全豪オープンでも優勝し、日本人としてテニスのWTAランキングで初めてランキング1位を獲得しました。
グランドスラムでは通算4勝し、現在の世界ランキングは堂々の2位。
しかしその大坂なおみさんですが、2021年に全仏オープン直前に記者会見を拒否すると宣言したことで物議をかもしました。
その後、東京オリンピックには出場を表明し参加、日本選手団の聖火リレーの最終走者として聖火台に点火する役目も担いました。
多くの人が期待する中、オリンピックでは残念ながら3回戦で敗退したものの、今年の8月30日から開催される全米オープンテニスで活躍が期待される選手の一人です。
今回は「大坂なおみの会見を拒否するのはなぜ?全米オープン初優勝のときのトラウマが原因?」と題して、大坂なおみ選手のマスコミに対する会見のスタンス、会見を拒否するようになったプロセスについて考察します。
それでは、行ってみましょう!
大阪なおみの会見拒否発言の理由
大坂なおみ選手は2018年は全米オープン、直後の2019年全豪オープンでも初優勝し、世界ランクは1位まで上昇しました。
そして2020年の全米、2021年の全豪と再びの連覇を達成し、トッププロとしての地位を揺るぎないものとしていきます。
このように快進撃を続ける大坂なおみ選手ですが、2021年全仏オープンの開催4日前に「選手の心の健康が無視されている」として、会見を拒否するという声明を突如発表。
一回戦に勝利した直後のインタビューには応じたものの、その後予定されていた会見には宣言通り姿を見せず、大会規定により罰金を科せられました。
そして、4大大会の主催者は合同で「会見拒否を続けると、全仏オープンからの追放、更には4大大会の出場資格の永久剝奪もありうる」と警告します。
大坂なおみ選手はその翌日SNSで「想像もせず、望んでもいない状況。みんながテニスにまた集中できるように、そして私の健康を考えて棄権します」と発信し、全仏オープンを棄権。
そのメッセージの中で、2018年の全米オープン初優勝以来、長期間うつ状態に悩まされていることを告白しました。
これを受け全仏主催者は「大坂選手の棄権は残念であり、来年の出場を楽しみにしている」と声明を発表しました。
転機は2018年全米オープン決勝?
ここからは大坂なおみ自身が転機とした2018年全米オープンについてみていきます。
この大会で大坂なおみは初のグランドスラム決勝へと駒を進めます。
決勝の相手は小さい頃からの憧れの選手で、自分がテニスを始めたきっかけともなったセリーナ・ウィリアムズでした。
セリーナ・ウィリアムズは女子テニス史上最強とも呼ばれるプレイヤーであり、2017年の全豪オープンで4大大会通算23回目の優勝を果たした後、出産の為の休養期間に入ります。
2018年3月に復帰後初出場した大会が、大坂なおみのWTAツアー初優勝を決めたBNPパリバオープンで、この時は3回戦で姉のビーナスと対戦し敗退しています。
ちなみにBNPパリバオープンの次の週に開催されたマイアミオープン一回戦でこの二人は対戦しており、この時は6-3,6-2で大坂なおみが勝っています。
2018年の全米オープン女子決勝は史上まれにみるほど荒れに荒れたものとなりました。
新チャンピオン誕生と後味の悪い試合
試合開始からセリーナは「全盛期の50%ほどの回復度」と本人が話す通り動きにキレがなく、第1セットを2-6で失います。
続く第2セットが始まってすぐの第2ゲーム、事件が起こります。
セリーナ側にコーチング行為があったとして「警告」を受けます。
コーチング行為とは、観客席から選手に身振り手振りでサインを送ることです。
これには不満をあらわにしたセリーナでしたが、後の第5ゲームで大坂なおみにブレークバックを許してしまいフラストレーションを爆発させ、ラケットを地面に投げつけ破壊、2度目の警告を受けてしまいます。
これにより続く第6ゲームは大坂なおみに1ポイントが与えられてスタート。怒りの収まらないセリーナはこの第6ゲームの後の第7ゲームも失ってしまいます。
第8ゲームが始まる前のコートチェンジの際にセリーナは激高、主審を激しく罵倒し、これが3度目の警告として、第8ゲームは大坂なおみに入ります。
この決定に観客席は騒然とし、主審への激しいブーイングが起こります。
そしてセリーナは大会審判員とグランドスラム大会の役員をコートへ呼び出し激しく抗議を続けます。
最早、セリーナ対主審といった様相です。
この騒然とした中でも大坂なおみは平静を保ち、自身のプレーに集中していました。
このままセリーナは破れ大坂なおみが初優勝となるわけですが、試合直後のインタビューでは観客のブーイングは続いたままでした。
観客からすれば、地元のスター選手が決勝初進出の無名の選手に、審判から不当で不利な裁定を受けて負けてしまったように見えたはずです。
この時、大坂なおみは自分の黒いサンバイザーを下げ、うつむいて泣いていたそうです。
インタビューを受けると第一声で「質問と違うことを言うけれど、皆さん彼女を応援していたと思います。こんな結果になってごめんなさい。試合を見てくれてありがとう。それだけ言わせてください」と観客に向かって話しました。
大坂なおみの中で何が起こったか?
自分がテニスを始めるきっかけとなった憧れの選手が、最高の舞台の決勝の対戦相手として戦うことになる…漫画のようなドラマチックなシチュエーションですよね。
その試合に最も大きな期待を寄せていたのは、他ならぬ大坂なおみ自身ではなかったかと思います。
しかし、最強で最高のはずの対戦相手は本調子からは程遠く、挙句の果てには審判に食ってかかり喚き散らし、ラケットを地面に投げつけ壊してしまう。
試合を台無しにしてしまったといっても過言ではないでしょう。
そんな怒りに任せて荒れている人が憧れの選手だったら、皆さんならどう感じますか?
その中でも自分を冷静にコントロールして、自分のパフォーマンスだけに集中し実行することがどれだけ困難か想像に難くないと思います。
しかも観客は完全アウェイで、ブーイングの嵐が延々続く中で、です。
試合が終わった後、ネットを挟んで向かい合った時や表彰式の時、セリーナ・ウィリアムズは泣きじゃくる大坂なおみを優しく抱きしめていたそうです。
ここで何かが壊れてしまったとしても不思議ではないと思います。
そしてここから大坂なおみの快進撃が始まる訳なのですが、自分の憧れを喪失してしまった上での追う立場から追われる立場への転換が起こってしまったことで、心に大きなストレスとプレッシャーを感じるようになってしまったのではないでしょうか。
以前のように天真爛漫な姿を、コートやインタビューで披露してくれる日が一日でも早く訪れることを願うばかりです。
大阪なおみの会見の様子
大阪なおみ、というテニス選手が世界的に注目を浴びたのは2014年の全米オープンでしょう。
この大会の一回戦で2011年全米オープン覇者のサマンサ・ストーサーを破った時の年齢は若干16歳。
身長180センチから繰り出す時速200キロクラスのビッグサーバーの快挙に一気に注目が集まりました。
しかしその反面、当時の会見では「天然」「お茶目」とも呼ばれる受け答えで、その模様は日本では「なおみ節」とも称され、2018年の年末には流行語大賞にノミネートされたほどです。
なおみ節~自由奔放な受け答え
「すごくハッピーだけど、申し訳ない気持ちでもいます。なぜなら、みなさんが私ではなく彼女の勝利を期待していたことを知っているので」
2018年の全豪オープン、3回戦で地元オーストラリアのアシュリー・バーティーに勝利した直後のインタビューで。
ちなみにインタビューの最初にこの言葉を発した後で「質問忘れちゃった。ごめんなさい」と続きます。
「どうやら史上最悪の受賞スピーチになりそうです」
2018年BNPパリバオープンでツアー初優勝を果たした後のスピーチで。
優勝スピーチの順番は、まず相手選手とそのスタッフへのメッセージを述べ、次に自分の家族とスタッフへ、大会のスタッフとスポンサーへの謝辞の後、会場の観客へのメッセージと続くのが定番とされています。
この大会は、WTAツアーの初優勝でもあり「第5のグランドスラム大会」と呼ばれるほど大きなものでした。
その為の緊張からか、非常に初々しさを感じるスピーチとなっています。
“This is probably going to be the worst acceptance speech of all time” – @BNPPARIBASOPEN champion @Naomi_Osaka_
We beg to differ! #BNPPO18 pic.twitter.com/4XpckdmLtq
— wta (@WTA) March 18, 2018
最初に自分の自己紹介を始めてしまい「じゃなかった」として、すぐに大会スタッフへの感謝と続けたところで、相手選手へのメッセージを忘れていたことに気付き、慌てて話し始め…スピーチの締めくくりに飛び出した言葉が『This is probably going to be the worst acceptance speech of all time』(きっと史上最悪のスピーチになっちゃったわね)という言葉でした。
ユーモアあふれる受け答え
「前回は夢の中であなたと対戦した時ね」
2018年全米オープン3回戦で対戦相手を6-0,6-0のストレート勝ちで破った時の記者会見で。
相手を0ゲームに抑えて勝つことをテニス用語で「ベーグル」といい、これがふたつで「ダブルベーグル」というわけです。
この時女性記者から「前回のダブルベーグルで勝った時を覚えていますか」と質問されての返答です。
この言葉に会場では大爆笑が起きました。
その後で「随分前のことだと思います。多分15歳くらいの頃ではないかと思います」ときちんと返答しています。(実際に2013年に達成しています)
その時の対戦相手を覚えていますか、と問われると「You」と答え、再び笑いを誘いました。
「2014年から言い続けてるジョークだけど、準備はいい? 大阪で生まれた人の苗字はみんな『オオサカ』なんです」「それ本当?」「違いますってば!」
2018年全米オープンでの優勝後の会見で「なぜ出身地と苗字が同じ『オオサカ』なのか」と問われて。
実際には「大坂なおみ」で大阪ではないんですね。
こんな風に天真爛漫で天衣無縫、やりたい放題でも不愉快にさせないユーモアのセンスの持ち主です。
きっと周りの空気を読むという力、察するという力に長けているのではないでしょうか?
これはテニスにも生かされていそうですね!
まとめ:大坂なおみの会見を拒否するのはなぜ?全米オープン初優勝のときのトラウマが原因?
大坂なおみ選手の印象は力強いプレースタイルと会見での軽妙なやり取り、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな彼女が今年に入って会見を拒否する声明を発表したのは驚きでしたね。
8月30日には全米オープンが開催予定です。
ここで輝く大坂なおみ選手をまた見てみたいものですね!
今回は「大坂なおみの会見を拒否するのはなぜ?全米オープン初優勝のときのトラウマが原因?」と題してお話させていただきました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。