こんにちは、ウチの部屋へようこそ!
新作映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」が公開されましたが、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
今回は「閃光のハサウェイ」の前日譚に当たる「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のストーリーをご紹介したいと思います。
「逆襲のシャア」のその後を描いた「閃光のハサウェイ」についても触れていきます。
それでは、行ってみましょう!
「逆襲のシャア」に登場のハサウェイの活躍
この映画は、アムロとシャアの最終決戦という謳い文句で1988年の3月12日に公開されました。
地球に隕石を落として人が住めないようにようにしようとするシャア。
それを止めようとするアムロ。
この二人の対立がドラマの中心です。
ラストで二人は生死不問の行方不明者という扱いになります。
戦いの中で多くのキャラクターが登場しては死んでいきます。
戦闘に参加しながら辛くも生き延びたハサウェイ・ノア。
彼が次回作「閃光のハサウェイ」の主役となるのです。
「逆襲のシャア」のアムロとシャアとの前哨戦の結果は?
序盤からモビルスーツ同士が所狭しとばかりに画面の中を動き回り圧巻の映像演出が展開されます。
この映像は30年以上が経っても色褪せない迫力です。
最初の15分であっという間に最初の戦闘が終わります。
ここでは、アムロがシャアの作戦を阻止できず、小隕石を地球連邦軍本部に落とされてしまいます。
この後も、シャアは地球が人類が住めなくするため小惑星を地球に落とし、しかもその落下直前に核ミサイルで地球を汚染してしまおうと考えているのでした。
それを阻止しようと自らが設計した新型モビルスーツ「νガンダム」を駆って再びシャアと対決することになるのです。
この時に新素材の「サイコフレーム」と呼ばれるT字型の資料も受け取っています。
「逆襲のシャア」でシャアの目指した理想とは?
シャアが目指したのは人類の革新です。
そのために地球に隕石を落とし地球を核の冬にして人が住めないようにすることです。
…ちょっと何言ってるか分かりませんよね?
物語の中盤でシャアが自軍の兵士に向けて演説するシーンがあるのですが、その内容にシャアの主張の意図が見受けられます。
演説の内容を要約すると次のようになります。
- 宇宙移民者に満足な住処、スペースコロニーを与えていない これは棄民政策に等しい
- 地球に住み続ける人々は自分たちのことしか考えていない「重力に魂をひかれた人々」だ
- このままでは宇宙移民者と地球居住者との格差は広がり続けるばかりだ
- だから、地球に人が住めなくなるように地球に隕石を落とし宇宙へと移民させる
- その結果戦争はなくなるだろう
- そのために私は人々の礎となり、虐殺者と呼ばれることも辞さない
一見、筋の通った説明のようにも聞こえますが、やろうとしていることは大量虐殺と環境破壊です。
しかも全地球規模でそれをしようとしているのですからもう無茶苦茶です。
この演説に煽動されつつも疑問を感じる兵士もいたのではないか?と感じます。
演説のこの論旨によって、ハサウェイが後にテロリストとして活動を開始する根拠があるのです。
「逆襲のシャア」ハサウェイのプロフィール
ハサウェイ・ノアはガンダムの第一作「機動戦士ガンダム」で艦長を務めたブライト・ノアの実子です。母はミライ・ノア。妹のチェーミンとの4人家族です。
後にこの作品の出来事は「シャアの反乱」と呼ばれることになるのですが、この戦闘に参加した連邦軍の戦艦ラーカイラムにひょんなことからハサウェイは乗り合わせてしまうのです。
そして、実際にモビルスーツに乗っての戦闘も経験します。
後にこの出来事がハサウェイのトラウマとなり、行動原理にもなります。
ハサウェイは上流階級の出身
物語の冒頭部で地球に隕石が落とされ、それを回避するために地球に残された家族3人は父のいる宇宙へと脱出しようとします。
しかし、そのシャトルの座席が横入りされてしまい一人しか乗れなくなってしまいます。そのため、ハサウェイ一人が宇宙へ行くことになります。
この時の同乗者が、ハサウェイの運命を大きく変えてしまう少女、クェス・パラヤです。
地球を脱出するためにシャトルに乗る、と簡単なことのようですが、当時の地球は都市部に高級官僚とその家族である一部のブルジョア階級が住み、それ以外の貧民がスラム街に細々と生活する様子が描かれています。
当然、ハサウェイは上流階級のお坊ちゃんです。
14年前のジオン軍との戦争を戦い抜いた軍人の長男ですから、これも考えてみれば当然ですね。
ハサウェイとクェスの出会うきっかけ
シャトルに乗ることすら普通に考えれば困難な中、そのプレミアチケットを横取りできてしまうのですから、クェスはハサウェイ以上の連邦軍の要人の娘なのです。
このクェスの父、アデナウアー・パラヤは当のシャアとある交渉の為宇宙に赴くのです。
ある交渉、それは連邦軍管轄下の小惑星アクシズをシャアの軍隊に譲渡するという契約です。
この売却により地球連邦政府の福祉政策が充実する、と後にアデナウアーは主張します。
貧民たちを地球の隅っこに追いやり、自分たちのことしか考えていない政府高官が言いそうなセリフをぬけぬけと述べます。
シャアに寝返ったクェスとハサウェイの結末
戦艦ラーカイラムが立ち寄ったスペースコロニー。
そこはアデナウアーとシャアの交渉の場でもありました。
偶然にもシャアと出くわしてしまった、アムロ、クェス、ハサウェイの3人。
その邂逅によりクェスはシャアのもとへと去ってしまいます。
物語の終盤、クェスは大型のモビルアーマーであるα・アジールに乗ってハサウェイの前に現れます。
そこに半壊したモビルスーツでアムロを援護しようと出撃したメカニックマンでアムロの恋人、チェーン・アギはこの場面に出くわします。
α・アジールは、チェーンを撃墜しようと砲撃を繰り返しますが何故かバリアーがチェーンを守ります。
サイコフレームが人の意思を感知し力場を発生させた、という風に描かれています。
そして、チェーンから放たれたミサイルがクェスのコクピットを直撃し、撃墜してしまいます。
ハサウェイとチェーンの間に起こる事件とは?
最後の戦闘でチェーンを狙撃してしまうハサウェイ。
しかし、その爆発の閃光がかがり火のように人々を呼び寄せ、最後のラストへとつながる直接的なきっかけとなるのです。
サイコフレームのT字型のサンプルはチェーンの中に宿ったアムロとの子供のオマージュとしてみると、その前のクェスのα・アジールからチェーンを守ったことは納得出来るのです。
しかし、チェーンにハサウェイと敵対する意思がなかったために、ハサウェイの砲撃からチェーンを守らなかったと考えられます。
このサイコフレームがアムロも導き、最終的にアクシズを押し返すときにも象徴的に描かれます。
当時の僕はこの解釈にどうしても釈然としないものを感じていました。
結局のところ、チェーンを生贄、犠牲にして人々の意思をサイコフレームへと集めアクシズを押し返す、地球を守る為ならば犠牲はしょうがない…
大局から見た事実としては正しいものの見方でしょうが、ここがどうにも30年経った今でもすっきりしないポイントです。
アムロの子供が大いなる地球を代表する意思として人々の意思を統合して地球を守った、という風にも取れます。
この時、この物語の主役はアクシズと地球、そしてサイコフレームではないかと考えました。
アムロとシャアは狂言回しの役割なのではないか、と感じます。
次回作「閃光のハサウェイ」へと続く展開
「逆襲のシャア」はアムロのνガンダムが、地球に落下してゆくアクシズをサイコフレームに集まった人の意思と共に押し返して、地球の寒冷化は避けられました。
しかし、それは地球に住み続ける利己主義的な上流階級の人々の環境が変わらなかった事でもあります。
ハサウェイはチェーンを撃墜した後、アクシズが押し戻される様子をモビルスーツのコクピットから泣きながら見届けました。
クェスが目の前からシャアのもとへと去って行った事、クェスが目の前で死ぬのを止められなかった事、更にはチェーンを殺してしまったトラウマ、様々な出来事がないまぜとなりハサウェイは精神的にボロボロになります。
その傷を癒すため地球に降りたところをとある人物クワック・サルヴァーと出会い、テロリスト集団マフティーに参加…というところから閃光のハサウェイという物語が始まります。
シャアの反乱から12年後の宇宙世紀105年、マフティー動乱という事件が起こります。
ハサウェイ・ノア、25歳の短い生涯の物語です。
「逆襲のシャア」ハサウェイのその後:まとめ
「逆襲のシャア」からその後の「閃光のハサウェイ」へと続く部分を、簡単に感想も交えて解説しました。
「逆襲のシャア」で様々な人の死を間近にしたハサウェイがどんなドラマを繰り広げていくのか?
小説やゲーム化されたもので結末をご存知の方も多くいらっしゃると思います。
今回の映画は3部作予定です。
映像化されたものは初の試みですので、一度劇場で体感してみてはいかがでしょうか?
今回は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」ハサウェイのその後!「閃光のハサウェイ」へと繋がるストーリー!と題してお話させていただきました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。